問 題
文部科学省及び厚生労働省が定める遺伝子治療臨床研究に関する指針において、被験者の人権保護のために規定されている事項はどれか。2つ選べ。
- 被験者の選定に当たっては、病状、年齢、同意能力等を考慮し、慎重に検討しなければならない。
- 同意能力を欠くなど被験者本人の同意を得ることが困難な場合は、実施機関が設ける審査委員会の承認があれば、同意に代えることができる。
- 被験者が、説明を受けたにもかかわらず、同意しなかった場合、何らかの不利益な扱いを受けても、やむを得ない。
- 文書により自由意思による本人の同意がなされた場合、撤回できるのは遺伝子治療が開始される前までである。
- 被験者の同意を得るに当たっては、定められているすべての事項について、可能な限り平易な用語を用いて説明しなければならない。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
選択肢 2 ですが
もしこの選択肢が正しいとすると、被験者の同意なく、家族ですらない第三者の集まりである審査委員会の承認だけで治験を行えることになり、被験者の人権保護のための規定とは考えられないと思われます。選択肢 2 は、誤りです。
選択肢 3 ですが
同意しなかったら不利益な扱いを受ける可能性があるということを許容すると、結局同意を強要することになりかねず、被験者の人権保護にはつながらないと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
治験への参加は被験者の自由意志によるものであり、かつ、随時撤回できます。治療が開始されたら、撤回できない ということはありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい選択肢です。
専門用語をまくし立てて「もうよくわからないから同意しておこう」と思わせて同意させたりしてはいけないということです。
以上より、正解は 1,5 です。
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