薬剤師国家試験 第100回 問121 過去問解説

 問 題     

エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 非タンパク質呼吸商の値から、脂質と糖質の燃焼割合が推定できる。
  2. 基礎代謝量は、安静時エネルギー消費量とも呼ばれる。
  3. 糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価を四捨五入して得られた整数値は、Atwater係数と呼ばれる。
  4. 基礎代謝基準値は、年齢や性別にかかわらず一定である。
  5. 成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて算出される。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
(例えば非タンパク質呼吸商が 1 であれば、完全に糖質です。また非タンパク質呼吸商が 0.7 であれば、完全に脂質です。)

選択肢 2 ですが
基礎代謝量は、生命活動維持のため必要な最小限のエネルギー消費量です。一方、安静時エネルギー消費量は、安静な状態におけるエネルギー消費量です。安静時エネルギー消費量は、基礎代謝量の約 120 % であるといわれています。基礎代謝量と安静時エネルギー消費量は同じものでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価について、吸収されない分や、排出される分を補正した上で整数値にしたものが Atwater 係数 です。物理的燃焼価を、四捨五入して得られた整数値では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
基礎代謝基準値は、年齢、性別によって異なります。よって、選択肢 4 は誤りです。ちなみに、基礎代謝基準値は、男女とも1~2歳で最大値を示します。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 1,5 です。

参考)
衛生薬学まとめ 基礎代謝量、呼吸商、エネルギー所要量

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