薬剤師国家試験 第100回 問96 過去問解説

 問 題     

紫外可視吸光度測定法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

ただし、図のように測定に用いた単色光の入射光の強さをI0、透過光の強さをIとする。

  1. 透過度tはt=I/I0で表される。
  2. 透過度tと吸光度Aの間には、A=2-logtの関係がある。
  3. 層長を2倍にすると、透過度tは2倍になる。
  4. 試料溶液が十分に希薄な場合、濃度を2倍にすると吸光度Aは2倍になる。
  5. 吸光度の単位はcd(カンデラ)である。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は、その通りの記述です。
「透過度」 と 「吸光度」 を 区別することが重要です。ちなみに、吸光度の定義は、透過度の逆数の、常用対数をとったもの です。

選択肢 2 ですが
透過度と吸光度の間には

という関係が成り立ちます。A = 2 - log t は、成り立ちません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
層長を 2 倍にしたら 2 倍になるのは吸光度です。透過度では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、その通りの記述です。

選択肢 5 ですが
吸光度の単位はありません。よって、選択肢 5 は誤りです。ちなみに cd は、光度の単位です。

以上より、正解は 1,4 です。

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