問 題
生体に投与後、長時間0次放出を示す製剤はどれか。1つ選べ。
- 腸溶性高分子コーティング顆粒
- 胃溶性高分子コーティング顆粒
- 腸溶性高分子固体分散体顆粒
- ワックスマトリックス型錠剤
- 浸透圧ポンプ型錠剤
正解.5
解 説
0次 である、ということは、例えば 1 時間に濃度が 2 ずつ、濃度に関係なく減っていくということです。つまり、投与後、ずっと一定の速度で薬剤が放出されるような製剤であるといえます。
選択肢1~3は
「腸溶」や、「胃溶」という言葉を含んでいるため、胃でどぱっと溶けたり、胃では溶けず腸でどぱっと溶けたりするので、投与後ずっと一定とは考えられません。
選択肢 4 ですが
マトリックス型製剤では、表面から徐々に薬物が放出されていきます。そのため、薬物の拡散距離が時間とともに段々長くなっていきます。(Higuchi の式 が知られています。)つまり、時間がたつと、薬物の放出量が減少していきます。投与後、ずっと一定の速度で薬物が放出されるわけでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
ちなみに、浸透圧ポンプ型製剤においては、錠剤内への水の侵入に伴い薬物が溶出します。
以上より、正解は 5 です。
類題 104-177
参考 製剤学まとめ 代表的な放出制御型製剤
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