薬剤師国家試験 第100回 問48 過去問解説

 問 題     

薬物の経口投与量と血中濃度時間曲線下面積(AUC)の関係が下図のようになる理由として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 消化管吸収の飽和
  2. 消化管代謝の飽和
  3. 肝代謝の飽和
  4. 胆汁排泄の飽和
  5. 腎排泄の飽和

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

経口投与量を増やしていくというのは、イメージとしては薬の錠剤を今日は1錠→明日は2錠→明後日は3錠・・・と増やしていくということです。すると、ある程度以上錠数を増やすと、薬が消化管で溶けきれなくなることが想像できます。

消化管で溶けきれないとそのまま排泄されてしまうのですから、経口投与量を増やしてもある程度以上は、体内における薬物濃度は上昇しないということになります。

そして、AUC というのは、横軸に時間、縦軸に血中濃度をとった時の面積 ですので血中濃度が上がらなくなると、AUC も上がらなくなります。以下がイメージです。(数字は適当です。)

AUC が図のように、つまり頭打ちになる理由は消化管で薬が溶けきれなくなることです。これは、いいかえると、消化管吸収の飽和です。

以上より、正解は 1 です。

参考 薬剤学まとめ 非線形性の薬物動態

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