薬剤師国家試験 第100回 問27 過去問解説

 問 題     

自律神経節において節前線維から節後線維への神経伝達を行う受容体はどれか。1つ選べ。

  1. グルタミン酸 NMDA 受容体
  2. セロトニン 5-HT3 受容体
  3. ニコチン性アセチルコリン受容体
  4. γ – アミノ酪酸 GABAA 受容体
  5. グリシン受容体

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。節前繊維から節後繊維への神経伝達に用いられる物質はアセチルコリンです。従って、受容体はアセチルコリン受容体です。

以上より、正解は 3 です。

補足
ちなみに、選択肢 1 ですが
NMDA 受容体は、主に中枢神経系に分布する受容体です。グルタミン酸が結合すると陽イオンを透過させるようなイオンチャネルとして働く受容体です。記憶や学習に深く関わる受容体です。

選択肢 2 ですが
5 – HT3 受容体は、主に中枢神経系に分布する受容体です。セロトニン受容体には様々なサブタイプがありますが、5 – HT3 の特徴はイオンチャネルとして働く受容体である点です。

選択肢 4 ですが
GABAA 受容体は、主に中枢神経系に分布する受容体です。主要な抑制性神経伝達物質である GABA の受容体です。Cl イオンのチャネルとして働きます。

選択肢 5 ですが
グリシン受容体は、脊髄などで発現し作動している受容体です。GABAA 受容体と同様に抑制性神経の受容体であり、Cl イオンのチャネルとして働きます。(ちなみにですが、本問の受容体は全てイオンチャネルとして作用するという点に特徴があります。)

参考 生化学まとめ 自律神経系

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