R1年 食品衛生監視員 No.4 毒性学Ⅲ 問題と解説

 問 題     

次の各種遺伝毒性試験について、試験の概要(試験に用いる細菌、細胞又は動物の種類、試験方法及び原理、S9 mix 添加の必要性の有無など)を、それぞれの試験について 5 行程度で説明せよ。

① 小核試験 (in vivo) 

② マウスリンフォーマ試験

③ Ames 試験

 

 

 

 

 

 解 説     

回答例

① 小核試験 (in vivo)
マウスやラットなどの哺乳類動物を用い、化学物質の染色体異常誘発性を評価する試験です。薬物を投与した動物の骨髄細胞や末梢血を採取し、分裂時に染色体の一部が取り残されて生じる小核を持つ未熟赤血球の出現頻度を顕微鏡等で測定します。生体の代謝系をそのまま利用するため、S9 mix の添加は不要です。

② マウスリンフォーマ試験
マウスのリンパ腫由来の培養細胞を用い、化学物質による遺伝子突然変異および染色体異常を検出する in vitro 試験です。正常細胞は、培養液中のトリフルオロチミジンを取り込み、正常な DNA 合成ができず増殖しません。TK (チロシンキナーゼ) 遺伝子に変異が起き、トリフルオロチミジンを取り込まなくなる 薬剤耐性を獲得した細胞のみ増殖します。培養細胞は薬物代謝能を欠くため、S9 mix の添加が必要です。

③ Ames 試験
ネズミチフス菌を用い、化学物質の遺伝子突然変異誘発性を迅速に調べる in vitro 試験です。ヒスチジンを作れない栄養要求性細菌に化学物質を作用させ、復帰突然変異を起こしたコロニーの数をカウントして評価します。細菌は哺乳類特有の代謝酵素を持たないため、S9 mix の添加が必要です。

ーーーー
思考過程

小核試験について

・用いるのは 哺乳類細胞
・評価するのは化学物質の「染色体異常誘発性」
・小核とは、比較的小さい細胞核のこと。細胞分裂時に、染色体の一部がうまく分配されずにちょろっと残ると、そこにできる。


マウスリンフォーマ試験

・ほ乳類 (マウス) 培養細胞を用いて化学物質によって誘発される 染色体異常の有無を検出する試験


Ames 試験 頻出なので、大体以下の内容をふわっと覚えている

・Ames 試験で用いるのはネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)
・使用株は、ヒスチジン生合成酵素遺伝子に変異があり、培地にヒスチジン添加しないと増殖しない。突然変異がおきてヒスチジン生合成が可能になる (復帰突然変異) と、培地上にコロニー数が増える。
・化学物質を加えた時のコロニー数変化により、化学物質の遺伝子変異の起こしやすさを評価する試験が Ames 試験


S9 mix 添加の必要性の有無について
In vitro 試験に用いられる細菌やほ乳類培養細胞は、一般にシトクロム P450 (CYP) を代表とする薬物代謝酵素活性を欠いているため、ベンゾ [a] ピレンやアフラトキシン等の代謝物が遺伝毒性を示す化学物質に対して有効で無い。このため、代謝物を含めてその化学物質の遺伝毒性を検索する場合には、肝臓ホモジネートの 9000× g 上清 (S9)  を添加して試験を行う

これらをふまえて文章を組み立てる


調べた所もあるので回答例のうち

① 「骨髄細胞や末梢血を採取」「未熟赤血球の出現頻度を顕微鏡等で測定」は本番では書けない

② 添加する物質や チロシンキナーゼのことがうろ覚えなので、本番は 1 ~ 2 行しか書けない

③ は回答例に近いものを書きたい です。

参考になれば幸いです!

コメント