問 題
化学物質の代謝に関する次の記述の Ⓐ ~ Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。
「生体内に取り込まれた多くの化学物質は主に Ⓐ で代謝され、 Ⓑ を増すことにより、体外に排泄されやすくなる。この代謝反応は第Ⅰ相反応と第Ⅱ相反応に大きく分けられる。
第Ⅰ相反応は化学物質に官能基を導入する反応で、酸化、 Ⓒ 、加水分解から成る。例えばエタノールはアルコール脱水素酵素及び Ⓓ により酸化され、 Ⓔ に代謝される。
第Ⅱ相反応は第Ⅰ相反応により官能基が導入された化学物質に対して、 Ⓑ が高いグルクロン酸や Ⓕ などと結合する Ⓖ 反応である。
シトクロム P450 は多くの化学物質の酸化を触媒する酵素群で、その多くはミクロソーム画分に存在する。一部の化学物質はシトクロム P450 によって反応性の高い代謝物に変換されることがあり、これを Ⓗ という。例えばベンゾ [a] ピレンは主に Ⓘ により Ⓙ 化され、DNA 付加体を形成して発がん性を獲得する。」
<語群>
①塩酸、②硫酸、③酢酸、④乳酸、⑤CYP1A1、⑥CYP3A4、⑦脂溶性、⑧水溶性、⑨脾臓、⑩肝臓、⑪アルデヒド脱水素酵素、⑫グルタチオンS‒転移酵素、⑬縮合、⑭抱合、⑮還元、⑯重合、⑰代謝的活性化、⑱脂質過酸化、⑲アルキル、⑳エポキシ
解 説
【化学物質の代謝 の基礎知識】
吸収、分布を経て化学物質は 代謝 を受け、化学的に変化します。代謝の担い手は、酵素です。薬物代謝に関与する、最も重要な酵素がCYP(シトクロムP) 450 です。代謝を受ける理由は『薬物分子を、「水溶性物質 = 極性が高い物質」に変化させて体外へ排出しやすくするため』です。
【第Ⅰ相反応、第Ⅱ相反応 の基礎知識】
代謝は大きく2つの反応に分類されます。第Ⅰ相反応と、第Ⅱ相反応です。第Ⅰ相反応とは、酸化、還元、「加水分解」 などです。第Ⅱ相反応とはグルクロン酸抱合などの、「抱合」反応です。抱合反応 とは「水溶性分子(例)硫酸、グルクロン酸 など)がくっつく反応」という意味です。
【P450 の基礎知識】
シトクロム P450 は、主に肝臓「ミクロソーム」画分に存在します。ミクロソーム中の P450 は、「基質特異性が低く」、異物代謝の多くを担います。P450 は、薬物等により誘導や阻害を受けます。
例えば、フェノバルビタールやフェニトインは P450 を「誘導」します。喫煙も P450 のサブタイプの一種 CYP1A2 等を「誘導」します。一方、GFJ(グレープフルーツジュース)等は P450 のうち 「CYP3A4」 を「阻害」します。
これらの基礎知識をふまえ
本問の演習を通じて補足知識を適宜追加すると良いです。
Ⓐ:⑩ 肝臓
Ⓑ:⑧ 水溶性
Ⓒ:⑮ 還元
Ⓓ:⑪ アルデヒド脱水素酵素
Ⓔ:③ 酢酸
Ⓕ:② 硫酸
Ⓖ:⑭ 抱合
Ⓗ:⑰ 代謝的活性化
Ⓘ:⑤ CYP1A1
Ⓙ:⑳ エポキシ です。

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