R1年 食品衛生監視員 No.3 微生物学Ⅲ (2) 問題と解説

 問 題     

グラム染色の手順及び使用する薬品を記せ。また、その際に異なる色に染色される原理について説明せよ。

 

 

 

 

 

 解 説     

【グラム染色の基礎知識】
細菌はグラム染色によって、グラム陽性菌とグラム陰性菌に分類されます。グラム陽性は青紫色に、グラム陰性は、赤色に染色されます。グラム染色の流れは、以下の通りです。

色の違いは、細胞の外側構造の違いを反映しています。共通構造として、ペプチドグリカンがあります。グラム陰性菌ではこのペプチドグリカン層が薄い代わりに、外膜と呼ばれる膜があります。外膜には、内毒素であるリポ多糖を含みます。ちなみに、細胞質膜と外膜の間はペリプラズムと呼ばれます。

基礎知識をふまえた回答例

1. グラム染色の手順及び使用する薬品
① 染色(前染色):クリスタルバイオレット溶液を用いて、菌体を青紫色に染色する 。 

② 媒染:ルゴール溶液を作用させ、クリスタルバイオレットとヨウ素の不溶性複合体を形成させる 。

③ 脱色:エタノール(アルコール)で処理し、特定の菌群から複合体を脱色する 。

④ 対比染色(後染色):サフラニン溶液を用いて、脱色された菌体を赤色に染色する 。  


2. 異なる色に染色される原理
細菌の細胞壁(外側構造)の構造的違いに起因する 。 

グラム陽性菌(青紫色に染色)は、厚いペプチドグリカン層を持つため、脱色剤であるエタノールを通しにくく、①・②で形成された青紫色の複合体が細胞内に保持される 。そのため、最後の対比染色後も青紫色を呈する 。  

グラム陰性菌(赤色に染色)は、ペプチドグリカン層が薄く、その外側に脂質を多く含む外膜を持つ 。エタノール処理によって外膜の脂質が溶解し、ペプチドグリカン層も薄いため、青紫色の複合体が容易に洗い流されて無色になる 。その後、④ のサフラニン溶液によって赤色に染色される 。

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