公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅰ(2)解説

 問 題     

重金属に関する記述 ①~⑤ について,妥当なものには ○ を,妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 鉛は,δーアミノレブリン酸脱水酵素などを阻害し,ヘモグロビンの合成を低下させることにより貧血を引き起こす。

② ヒジキなどの海産食品には,多量のヒ素を含有するものがあるが,その大部分は安定な無機ヒ素化合物であり,毒性は弱い。

③ メチル水銀は,経口摂取した場合,大部分が消化管から吸収され,全身に分布する。血液-脳関門の透過性も高く,脳内に移行するため,中枢神経障害を引き起こす。

④ カドミウムは,体内に吸収されると,腎臓や肝臓などに分布し,主に腎障害を起こし,特に近位尿細管からのカルシウムやリンの再吸収が阻害される。

⑤ 重金属に対する生体防御因子であるメタロチオネインは,構成するアミノ酸の約1/3 がセリンである。ヒドロキシ基に親和性の高い重金属は,このセリンに捕捉され,有害作用発現能が低下する。

 

 

 

 

 

 解 説     

記述 ① は妥当な記述です。

記述 ② ですが
ヒ素化合物は有機ヒ素、無機ヒ素に大別されます。ヒジキにより多く含まれるのは無機ヒ素です。そして、「毒性に注意がより必要となるのは無機ヒ素」です。記述は妥当ではないと考えられます。

ちなみにヒジキは、水戻し等の調理過程により無機ヒ素がかなり減少します。極端に多量に摂取しない限り安全性に問題はないとされています。また、食品安全委員会によれば、通常の食生活における摂取で健康に悪影響が生じたことを明確に示すデータはこの試験時点でありません。

記述 ③、④ は妥当な記述です。

記述 ⑤ ですが
メタロチオネインの構成アミノ酸の約 1/3 を占めるのはシステインです。セリンではありません。

以上より、①◯、②☓、③◯、④◯、⑤☓です。
類題 H29No4Ⅰ(2)

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