公務員試験 H30年 国家専門職(教養) No.40解説

 問 題     

国際法等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.『戦争と平和の法』を著したオランダのグロティウスは,自然法の立場から,国際社会において諸国家が従うべき国際法の必要性を訴えた。国際法には,国際慣習法と国家が相互に結んだ条約などがある。

2.難民の地位に関する条約において,難民とは,人種,宗教,政治的意見などを理由に迫害を受けたために,他国に逃れた人々とされる。また,自国内で避難を余儀なくされている国内避難民は,通常,経済難民と呼ばれ,その数は2013 年以降減少傾向にある。

3.非政府組織(NGO)は,平和・人権・環境問題などについて,国際的に活動している民間の組織・団体を指す。戦争の犠牲者の保護などを行うアムネスティ・インターナショナルや,自然災害や戦争などの被災者へ医療活動を行うため,ドイツで結成された国境なき医師団などがある。

4.領海とは,海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)において,低潮時の海岸線などの基線から12 海里であり,国によらず一定とされる。また,領空とは,領土及び領海の上空であり,大気の存在しない宇宙空間も含むものとされる。

5.国連海洋法条約は,我が国や米国などG7 を含む160 以上の国等により批准されている。この条約において,排他的経済水域(EEZ)とは,領海の外側の100 海里以内とされ,沿岸国はこの水域の資源を優先的に利用でき,他国の船舶は自由に航行できないものとされる。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
国内避難民は難民ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アムネスティは国際「人権」NGOです。人権問題に取り組んでおり「戦争の犠牲者の保護など」という記述は妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。一文目は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
本試験時点で、領空は宇宙空間を含みません。よって、選択肢 4 は誤りです。領海については妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
排他的経済水域は、基線から 200 海里までです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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