公務員試験 H30年 国家専門職(教養) No.36解説

 問 題     

北・中・南米諸国の商工業と資源に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.米国では,20 世紀まで,豊富な石炭・鉄鉱石などの資源と水運を利用した工業が発達した南部が同国の工業の中心であったが,21 世紀に入ると,北東部のスノーベルトと呼ばれる地域に工業の中心が移り,ハイテク産業や自動車産業などが進出した。

2.カナダは,鉱産資源や森林資源に恵まれ,ウランやニッケル鉱の産出が多く,パルプ・紙類などの生産が盛んである。また,豊かな水資源を利用した水力発電が盛んで,水力発電が国全体の発電量の半分以上を占めている。

3.メキシコは,輸出額のうち,石油が約5 割を占め,機械類や自動車などの工業製品が約2 割を占めている。同国の最大の貿易相手国は米国であるが,1980 年代以降,輸出額に占める対米輸出額の割合は年々減少傾向にある。

4.ブラジルは,ロシア,カナダに次ぎ世界で3 番目の面積を持つ国であり,輸出額のうち,肉類,砂糖,コーヒー豆を合わせた輸出額が約5 割を占めている。一方,石油資源に乏しく,その大半を輸入に依存している。

5.チリは,鉄鉱石が輸出額の大半を占めている。同国の中部に位置するアタカマ砂漠には世界有数の埋蔵量を誇るカラジャス鉄山,イタビラ鉄山があり,鉄鉱石の産出高が世界一である。また,マラカイボ油田が同国の石油産出の中心地となっている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
米国北東部スノーベルトは、19~20C 発達した地域です。その後スノーベルトが衰退する一方で、南部のシリコンバレーに代表される「サンベルト」と呼ばれる地域に工業の中心が移りました。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
メキシコは機械類や自動車が多くを占め、石油「5割」は多すぎです。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ブラジルは 5 番目の面積です。また、ブラジルの石油輸入依存度は 2014 年時点で 3% と小さいです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
チリといえば「銅」です。カラジャス鉄山やイタビラ鉄山はブラジルの鉄山です。ちなみにマラカイボ油田はベネズエラの油田です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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