公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.42解説

 問 題     

図のように、耐火レンガの外側に断熱レンガを重ねた炉壁がある。各レンガの厚さ、熱伝導度は表のとおりである。この炉壁の高温(TH)側から低温(TL)側へ熱が定常状態で流れているとする。

ここで、これらのレンガを熱伝導度 0. 80 W・m-1・K-1 のレンガで置き換えるとすると、同じ温度差(TH -TL)を得るのに必要なレンガの厚さはおよそいくらか。ただし、伝熱面積は全て等しいものとする。

1.  0. 34 m
2.  0. 42 m
3.  0. 50 m
4.  0. 68 m
5.  0. 75 m

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

伝熱なので、フーリエの法則を思い出します。q = λA(T1ーT2) / L です。温度差が必要なので、耐火レンガと断熱レンガの境目の温度を TM とおきます。耐火レンガ部分、断熱レンガ部分それぞれ、q1,q2 とおいて式を立てます。数値の代入は最後にまとめて行うため、耐火レンガの熱伝導度、厚さを λ1、L1、断熱レンガの熱伝導度、厚さを λ2、L2 とします。以下のようになります。

定常状態なので、q1 = q2 です。q とおきます。そして、これをレンガで置き換えて、同じ温度差なので、厚さを L3 とおけば、q = 0.80A(THーTL)/L3 ・・・(3) が成り立ちます。これらの情報から、L3 を求めてみようという問題です。

式(1)、(2)より、q = 0.24A(THーTL)/0.204 です。

また、(3) より L3 = 0.80A(THーTL)/q です。
連立すれば、L3 = 0.80 × 0.204/0.24 ≒ 0.68 です。

以上より、正解は 4 です。

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