公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.12解説

 問 題     

物質 A と物質 B の間の可逆反応 2A ⇄ B を考える。反応 2A → B の、定温、定圧条件における反応ギブズエネルギー変化 ΔG 及び標準反応ギブズエネルギーΔG°に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ ΔG は、定圧条件で測定される反応 2A → B の反応熱と常に等しい。
㋑ ΔG > 0 ならば、反応 2A → B は自発的に進行する。
㋒ ΔG°の値から、この可逆反応の平衡定数を求めることができる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     


㋑が明らかに誤りです。
「ΔG < 0」 の時、反応は自発的に進行します。正解は 2 or 5 です。これで ㋒ は正しいと判断できます。

次に、㋐ですが
ΔG=ΔH-TΔS(これは基礎知識)・・・(1)です。本問では「定圧条件」を考えているため、反応熱とは、エンタルピー変化です。つまり ΔH です。従って、ΔG が反応熱と等しいとは「ΔG = ΔH」・・・(2) です。

(1)と(2)が常に等しいとは考えられません。よって、㋐ は誤りです。妥当なものは ㋒ のみです。ちなみに、㋒ ですが ΔG0 = -RT lnK です。

以上より、正解は 5 です。

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