公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.19解説

 問 題     

ある小学校の児童 200 人を対象として,学習方法Aと学習方法Bのいずれを用いて学習しているかの調査を行ったところ,100 人は学習方法Aで,もう 100 人は学習方法 Bで学習していることが分かった。

それぞれの学習方法について,学習時間とテストの成績との間のピアソンの積率相関係数を求めたところ,学習方法Aで学習していた児童の学習時間とテストの成績の相関係数は 0.3,学習方法Bで学習していた児童の相関係数は 0.8 であった。この結果の解釈に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお,いずれの学習方法で学習した児童のテストの成績も学習時間も正規分布に従うものとする。

1.学習方法Aで学習していた児童の学習時間よりも,学習方法Bで学習していた児童の学習時間
の方が長い。

2.学習時間が同じであれば,学習方法Aで学習するよりも,学習方法Bで学習する方がテストの
成績が上がる。

3.学習時間からテストの結果を予測した場合,学習方法Aよりも学習方法Bの方が,その学習時
間から予測される誤差は小さい。

4.学習時間が同じであれば,学習方法Aで学習していた児童よりも,学習方法Bで学習していた
児童の方がテストの成績が良い。

5.学習方法Aで学習すると,学習時間が長くてもテストの成績は上がらないが,学習方法Bで学
習すると,学習時間が長いほどテストの成績が上がる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

ピアソンの積率相関係数とは、いわゆる相関係数 r です。学習方法 A において、学習時間と成績の相関はあまり見られず、B はかなり見られるとわかります。

選択肢 1 ですが
それぞれの生徒の学習時間については特にわかりません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
これはなんともいえません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
相関係数が 1 に近いということは、より線形の関係が見られるということです。従って、学習時間からテスト結果がより誤差が小さい形で予測できます。

選択肢 4 ですが
これはわかりません。あくまでも、学習方法 B によって学習している方が、成績を予想しやすいだけです。

選択肢 5 ですが
相関係数 0.3 だと「なんとなく右上がりかもなぁ」ぐらいに見える分布です。「学習時間が長くても成績が上がらない」と解釈することはできません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。参考 H29no24

コメント