公務員試験 H30年 国家一般職(行政) No.39解説

 問 題     

各家計は,ライフ・サイクル仮説に基づき行動し,生涯を通じて消費を平準化するものとする。各家計の稼得期が 45 年間,引退期が 30  年間であるものとし,稼得期の各年の所得が 350 万円,引退期の各年の所得は 0 であると仮定する。また,利子率は 0 とし,各家計は稼得期の最初に資産を持たず,遺産も残さないものとする。

全ての家計が上記の条件を満たすものとし,現在,稼得期にある家計の数,引退期にある家計の数がそれぞれ,60,20 であるとき,経済全体の平均貯蓄率はいくらか。

1. 20 %
2. 30 %
3. 40 %
4. 50 %
5. 60 %

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

生涯を通じて消費を平準化とあります。75 年の生涯で、稼ぎの合計は 350 × 45 = 15750 です。これを 75 で割った 210 が、各家計における毎年の消費額です。すると、稼いでる時期に 350 – 210 = 140 を、各家計は貯蓄するとわかります。

今、稼得期にある家計の数が 60 なので、140 × 60 = 8400 が貯蓄です。一方、引退期にある家計の数が 20 なので、210 × 20 = 4200 が消費されます。この 4200 は、いわばマイナスの貯蓄です。全体で考えると、差し引き 8400 – 4200 = 4200 の貯蓄です。

貯蓄率とは、稼ぎのうちの貯蓄の割合です。稼得期にある家計の数が 60 だから、全体で考えると稼ぎは 350 × 60 = 21000 です。4200/21000 だから、百分率で表せば 20% です。

以上より、正解は 1 です。
類題 H27no38

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