公務員試験 H30年 国家一般職(行政) No.38解説

 問 題     

市中銀行が,その預金残高に対して 10 % を預金準備として保有し,残りを全て家計への貸出しに回すものとする。また,家計の現金預金比率が 50 %,ハイパワード・マネーが 480 兆円とする。いま,ハイパワード・マネーが一定(480 兆円)の下で,現金預金比率が 80 % に増加したとする。このとき,マネーストックはいくら減少するか。ただし,市中銀行が,その預金残高に対して 10 % を預金準備として保有し,残りを全て家計への貸出しに回すことは変わらないものとする。

1. 60 兆円
2. 120 兆円
3. 180 兆円
4. 240 兆円
5. 360 兆円

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

貨幣市場に関する問題です。
基本的な知識として、マネーサプライを M とした時、M = C+D です。C は現金、D は預金です。すなわち、マネーサプライは、家計・企業の有する現金+預金です。(H26no38)。マネーサプライのことを、マネーストックと呼ぶこともあります。

また、日銀が所有する現金や準備金を、ハイパワードマネーといい、H で表します。H = C+R です。C は現金、R は準備金です。加えて、現金預金比率は C/D、預金準備率が R/D です。

H = 480、C/D = 0.5、R/D = 0.1 より、M を計算すると、以下の通りです。M = 480 × 2.5 となります。

同様に、H = 480、C/D = 0.8、R/D = 0.1 とした場合の M を計算すると、M = 480 × 2 となります。(同様なので、式変形は省略しています。ぜひ自分で確認してみてください。)。

従って、減少分は 480 × 2.5 ー 480 × 2 = 480 × 0.5 = 240 です。

以上より、正解は 4 です。

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