公務員試験 H30年 国家一般職(行政) No.31解説

 問 題     

ある財の需要関数が

であるとする。ただし,P(> 0)は価格,Q は需要量である。このとき,需要の価格弾力性が 0.2 以上になる価格 P の範囲として妥当なのはどれか。

1. 0 < P ≦ 5
2. 0 < P ≦ 8
3. 5 ≦ P
4. 8 ≦ P
5. 10 ≦ P

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

P = 1 の場合を考えます。
需要関数に P = 1 を代入すれば、Q = 1/10 + 1/8 = 9/40 です。

需要の価格弾力性とは、価格が 1% 上昇した時の、需要量の変化率です。(H27no32)。価格 1% や 10% 上昇だと、小数になってしまうため、100% 上昇させてみます。つまり、P = 2 の場合を考えます。すると、Q = 1/10 + 1/16 = 13/80 です。P = 1 の場合の Q も分母を 80 にすると、価格 100% 上昇に伴い、需要は 18/80 → 13/80 と変化しています。これは 30%弱の 減少です。

価格が 100% 変化した際、需要が 30% 弱減少したので、P = 1 における価格弾力性は 0.3 弱です。0.2 以上と判断できます。従って、P = 1 を含む 選択肢 1 or 2 が正解です。

次に、P = 6 の場合を考えます。Q = 1/10 + 1/48 = 29/240 です。100% 上昇させて、P = 12 の場合を同様に考えれば、Q = 1/10 + 1/96 = 53/480 です。分母を 480 に合わせて考えれば、58/480 → 53/480 と変化しています。これは 10% 弱の減少です。

価格が 100% 変化した際、需要が 10% 弱減少なので、P = 6 における価格弾力性は 0.1 弱です。P = 6 は含みません。

以上より、正解は 1 です。

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