公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.6食品衛生学Ⅰ(2)解説

 問 題     

国内外における過去の食中毒事例に関する記述 ①~⑤ について、妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 第二次世界大戦後の酒類が不足していた時代に、メタノールを混入させた密造酒が横行し、頭痛、腹痛、視神経障害が引き起こされた。

② 粉ミルクの製造工程で使用したリン酸水素二ナトリウム中にヒ素化合物が混入していたことが原因で、食中毒が発生した。

③ 有機塩素系農薬が混入した中国産冷凍餃子の摂食により、中枢神経障害などの症状が引き起こされた。

④ 加工乳の原材料に使用された脱脂粉乳に大腸菌が産生したエンテロトキシンが含まれていたことが原因で、食中毒が発生した。

⑤ カネミ油症事件では、米ぬか油の脱臭工程で加熱媒体として使用していたPCB 等が製品中に混入し、それを摂取した人の皮膚への色素沈着や発疹などが引き起こされた。

 

 

 

 

 

 解 説     

①、②は、妥当な記述です。
メタノールについては「目散るアルコール」と揶揄されていたとの事です。
粉ミルクは1955年の森永ヒ素ミルク中毒事件についての記述です。

③ですが
中国産冷凍餃子で混入していたのは有機「リン」系薬物のメタミドホスです。有機塩素系ではありません。

④ですが
原因は病原性黄色ブドウ球菌が産生したエンテロトキシンです。大腸菌ではありません。脱脂粉乳による 2000 年雪印集団食中毒事件についての記述となります。

⑤は、妥当な記述です。

以上より、①◯、②◯、③☓、④☓、⑤◯ です。

コメント