公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.5公衆衛生学Ⅱ解説

 問 題     

下水処理に関する次の記述の Ⓐ~Ⓡ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。なお、同じ語句を複数回選択してもよい。

「Ⓐ 法は、我が国で最も普及している下水処理方法である。この方法の長所としては、各種処理法のうち最も浄化率が高く、悪臭やハエなどが発生せず、構造が単純で占有面積も小さいことである。一方、短所としては、高処理コスト、余剰汚泥の発生、 Ⓑ の除去率に比べⒸ の除去率は低く、浄化率や汚泥の分離などが汚泥への負荷変動を受けやすく、良好な汚泥の維持管理に手間がかかることが挙げられる。

Ⓓ 法は、廃水をⒺ に滞留させて、藻類の光合成と空気由来の酸素によってⒻ 状態を維持しながら、 Ⓖ をⒽ 性微生物による分解等で浄化する方法である。この方法は建設費や維持費が低く、管理が容易であるが、長滞留時間、広占有面積、悪臭やハエなどの発生の欠点がある。

Ⓘ 法は、浄化に関与する汚水生物群を濾材表面に薄層状に固定して、ここに下水を接触させる方法であり、下水浄化の原理はⒿ 法と本質的に同じであるが、 Ⓚ性の微生物のほかにもⓁ 性の微生物も浄化に関与する。散水濾床法と回転円板法がある。

Ⓜ 性処理法は、 Ⓝ 濃度の著しく高い産業廃水、下水汚泥、し尿などをメタン発酵槽と呼ばれる密閉タンクの中に投入し、 Ⓞ 性細菌の作用によって高分子Ⓟを、メタンやⓆ にⓇ するものである。」

<語群>①イオン交換、②酸化池、③ばっ気槽、④活性汚泥、⑤生物膜、⑥浮遊物質(SS)、⑦溶存酸素(DO)、⑧生物化学的酸素要求量(BOD)、⑨化学的酸素要求量(COD)、⑩好気、⑪嫌気、⑫有機物、⑬無機物、⑭酸素、⑮二酸化炭素、⑯加水分解、⑰還元分解

 

 

 

 

 

 解 説     

最も普及している下水処理法と来れば「活性汚泥法」です。無機物の除去率が低いため、嫌気呼吸法などの高度処理を組み合わせる事が多いです。

廃水を滞留させるという点から、D法は酸化池法です。好気性微生物による有機物分解を行います。要するに自然の浄化におまかせという方法なので、管理が簡単ですが高い処理効果は期待できません。

「浄化に関与する汚水生物群を・・・薄膜状に・・・」とあるので、I 法は生物膜法です。本質的には活性汚泥法と同様の原理です。

発酵槽に投入して、有機物高分子をメタンや CO2 に加水分解するのが、嫌気性処理法です。メタン発酵法とも呼ばれます。

以上より
A 活性汚泥 ④
B 有機物 ⑫
C 無機物 ⑬
D 酸化池 ②
E 酸化池 ②
F 好気 ⑩
G 有機物 ⑫
H 好気 ⑩
I 生物膜 ⑤
J 活性汚泥 ④
K 好気 ⑩
L 嫌気 ⑪
M 嫌気 ⑪
N 有機物 ⑫
O 嫌気 ⑪
P 有機物 ⑫
Q 二酸化炭素 ⑮
R 加水分解 ⑯ です。

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