公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅱ(2)解説

 問 題     

微生物の死滅に関する次の記述の Ⓐ~Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し,それぞれの番号を記せ。なお,同じ語句を複数回選択してもよい。

「微生物を一定時間加熱したときの生菌数の常用対数と加熱時間の関係を示す Ⓐ 曲線の Ⓑ は,微生物の死滅速度を表している。

死滅速度の負の逆数で表す Ⓒ とは,一定温度で微生物を加熱したときに,生菌数が Ⓓ に減少するのに要する時間のことである。Ⓒ が大きいほど耐熱性が Ⓔ 。Ⓒ の常用対数を縦軸,加熱温度を横軸に,データをプロットし,得られた線をⒻ 曲線と呼ぶ。

Ⓒ をⒼ に減少させるための温度を Ⓗ と呼ぶ。Ⓗ が大きいほど加熱温度を上げることによる殺菌効果の増加率が Ⓘ 。また,Ⓙ とは,一定温度において,一定数の微生物を死滅させるのに必要な加熱時間である。」

<語群>①1/10,②1/100,③D 値,④Z 値,⑤F 値,⑥L 値,⑦易熱性,⑧耐熱性,⑨加熱致死時間,⑩生残,⑪低い,⑫高い,⑬勾配,⑭横軸,⑮縦軸

 

 

 

 

 

 解 説     

A は、加熱してどれぐらい生き残っているかを示す曲線で「生残曲線」と考えられます。このグラフの傾きが死滅速度を表しています。

C は「一定温度で加熱した時に、生菌数が D 減少するのに要する時間」とあるので、Cが「D値」で、Dは 1/10 と考えられます。D値が大きいほど、加熱してもなかなか死なない ということなので、耐熱性が高いと評価できます。

D 値を1/10 もしくは 10 倍にするような温度差を Z 値と呼びます。Z値が大きいほど、相当温度をあげないと早く菌をへらすことができない、ということなので、Z値が大きい時、加熱温度を上げることによる殺菌効果の増加率は、低いということになります。一定温度において、一定数の微生物を死滅させるのに必要な加熱時間は、F 値です。

以上より
A 生残 ⑩
B 勾配 ⑬
C D値 ③
D 1/10 ①
E 高い ⑫
F 加熱致死時間 ⑨
G 1/10 ①
H Z値 ④
I 低い ⑪
J F値 ⑤ です。

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