公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.2食品化学Ⅱ(2)解説

 問 題     

食品中の水に関する次の記述の Ⓐ~Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

「食品中の水は、その存在状態から、 Ⓐ とⒷ の2 種類に分けられる。Ⓐ はⒷ に比べると、①蒸発しにくい、②凍結しにくい、③溶媒としての作用がないといった特性を有する。

食品中の水のうち、食品の酸化や褐変などに直接関与する水分の指標としてⒸ が重視される。Ⓒ は、ある温度において食品の示す水蒸気圧(P)とその温度における純水の最大水蒸気圧(P0)を用いてⒸ = Ⓓ / Ⓔ と定義される。

Ⓒ が高いと微生物が増殖しやすく、増殖に最低限必要なⒸ は、高い方から順に細菌、 Ⓕ 、Ⓖ となり、 Ⓒ がⒽ 未満の食品については、ほとんどの微生物は増殖できない。また、水分含量がⒾ % 程度であり、かつⒸ が0.85~0.65 程度の食品を中間水分食品といい、 Ⓙ などがこれに該当する。」

<語群>①0.6、②0.7、③0.8、④酵母、⑤カビ、⑥40~15、⑦65~50、⑧自由水、⑨溶解水、⑩結合水、⑪電解水、⑫酸化還元電位(ORP)、⑬水分活性(Aw)、⑭チーズ、⑮ジャム、⑯チョコレート、⑰P、⑱P0

 

 

 

 

 

 解 説     

食品中の水は、食品成分の一部と強く結合している結合水と、結合していない自由水の2種類に大別されます。食品中の自由水の割合を示す指標が水分活性です。P/P0 です。水分活性が低いほど、微生物の増殖が抑制されます。水分活性が 0.6 を下回ると、ほとんどの微生物の増殖が抑制されます。ちなみに、細菌、酵母、カビの順に、増殖に最低限必要な水分活性が低くなります。

水分活性と関連した用語として、中間水分食品があります。代表例はジャムなどです。これは、水分含量が 40~15% 程度かつ、水分活性が 0.85~0.65 程度の食品のことです。概してやわらかく、そのまま食べることができる食品です。

以上より
A 結合水 ⑩
B 自由水 ⑧
C 水分活性(Aw:Water Activity) ⑬
D P ⑰
E P0
F 酵母 ④
G カビ ⑤
H 0.6 ①
I 40 ~ 15 ⑥
J ジャム ⑮ です。

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