公務員試験 H29年 国家専門職(教養) No.39解説

 問 題     

景気に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.景気循環は,好況・後退・不況・回復の四つの局面が一つの周期になっている。建設投資や設備投資は,好況期に最大,不況期に最小になり,利子率は,好況期に低水準,不況期に高水準になる。

2.景気循環は,その周期によって類別され,代表的なものとして,主たる原因が在庫変動によるもの( 3 ~ 4 年),建設投資によるもの( 7 ~10 年),設備投資によるもの(20 年前後),技術革新などによるもの(50~60 年)がある。

3.景気変動の幅が大きくなると,不況期には大量の失業や設備の過剰が生じ,好況期にはインフレーションなどの問題が生じる。景気変動の幅をできるだけ小さくして景気の安定を図るために,財政政策や金融政策などの複数の政策手段を組み合わせるポリシー・ミックスが行われることがある。

4.我が国では,1950 年代半ばから1970 年代初めにかけて,実質国民総生産が平均して年率30 % で成長したが,第1 次石油危機により成長率は低下し,景気停滞(スタグネーション)とデフレーションが同時に進行するスタグフレーションに直面した。

5.我が国では,バブル経済崩壊後の1990 年代から景気の低迷が続き,第二次世界大戦後初めてマイナス成長を経験した。2008 年のリーマン・ショック直後には,日本経済がデフレーションの状態にあるとの政府見解がバブル経済崩壊後初めて示された。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが、利子率は好況時に高水準、不況時に低水準です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、建設投資と、設備投資の年数が逆です。よって、選択肢 2 は誤りです。ちなみにそれぞれの周期は、キチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフの波と呼ばれます。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが、年率 30% はさすがに大きすぎです。年平均 10% 超えです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、オイルショックで 1974 年に初のマイナス成長がありました。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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