公務員試験 H29年 国家一般職(農学) No.13解説

 問 題     

我が国における水稲の直播栽培に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.直播栽培は,平成25 年産では約30 万ha で導入され,全水稲作付面積の約2 割となっている。湛水直播よりも乾田直播の割合が大きい。

2.直播栽培では,春先の本田に直接播種するため,低温発芽性,低温出芽・苗立ち性の優れた品種を選ぶ。湛水直播では,移植栽培に比べて転び型倒伏が生じやすいので,その耐性も必要である。

3.湛水直播では,水中での発芽となるため,乾田直播に比べて出芽・苗立ちが良い。播種深度は一般に, 3 ~ 5 cm が適している。

4. 2 ~ 3 葉期以降に入水する乾田直播では,種子の乾燥を防ぐため,過酸化カルシウム剤などの種子粉衣を行うことが多い。播種法は散播が一般的である。

5.農林水産省実証事業結果(平成13~15 年度)によると,直播栽培は,専用の播種機を要するため,移植栽培に比べて単位面積当たりの生産コスト削減の効果はない。しかし,有効茎歩合が高くなるため,単収は移植栽培よりも約 2 割増加する。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
直播栽培はまだまだ少数派です。増加傾向にありますが、本試験時、全水稲作付面積の約 2 %、3万 ha ほどです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
湛水直播(たんすいちょくはん)では、播種深度は一般に 1cm前後が適するとされています。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
「過酸化カルシウム剤などの種子粉衣」は、「湛水直播」に関する記述です。また、播種機が色々あり、「散播が一般的」は妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
直播栽培は「生産コスト減、単収減」です。苗を手間かけて作るよりも単収が多ければみんなこっちに流れている、と考えれば誤りと判断できるのではないでしょうか。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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