公務員試験 H29年 国家一般職(農学) No.9解説

 問 題     

ダイズに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ダイズは,根粒菌との共生によって大気中の窒素を固定する能力を持つ。このため,基肥成分のうち,窒素成分の施用量を抑えることができる。

2.ダイズの種子は胚乳種子である。出芽後,子葉に続いて初生葉が単葉で互生して展開し,その後,複葉が対生して展開する。複葉は,通常3 枚の小葉から成る。

3.ダイズの主な管理作業の一つに中耕培土があり,開花後の莢肥大開始期頃に実施する。この作業によって,病害虫防除や倒伏防止の効果が期待できる。

4.ダイズの主要害虫であるハスモンヨトウの幼虫は,主に莢や子実を食害する。防除効果を高めるためには,幼虫が6 齢幼虫に成長してから薬剤防除を実施するのがよい。

5.我が国におけるダイズの収穫作業では,自脱型コンバインによる機械化が普及している。作業効率を高めるために,最下着莢位置が低い品種の開発が進められている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
ダイズは出芽→子葉→初生葉→第一葉と現れてきます。双子葉です。第一葉が三枚の葉があり、複葉と呼ばれます。以下は複葉です。「子葉に続いて初生葉が単葉」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
生育途中に、うね間の土を軽く耕すことを中耕、うね間の土を細かく砕いた後に、作物の根元へ移動させる作業を培土といいます。「本葉2枚目、5枚目展開ごろ」に行います。この作業により、雑草防除、倒伏軽減の効果が期待できます。「病虫害防除」は妥当ではないと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ハスモンヨトウは「葉を食害」します。 防除適期は「若齢幼虫期」です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
「自脱型」コンバインは主にイネやムギを収穫するためのコンバインです。ダイズの収穫では「普通型」コンバインによる機械化が普及しています。ちなみに、最下着莢位置が「高い」品種の方が、コンバインによる刈り取り効率が高くなります。よって、選択肢 5 は誤りです。(参考 H28no2)

以上より、正解は 1 です。

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