公務員試験 H29年 国家一般職(高卒 基礎) No.38解説

 問 題     

貿易に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.各国はそれぞれ相対的に生産費が低い財の生産に特化してそれを輸出し,他の財を外国から輸入するのが最も利益が大きくなるという考え方を比較生産費説という。

2.国家,地域などの境界を越え,先進国が高度な工業製品を生産し,発展途上国がその原材料を生産することで地球が一つの単位になる過程を水平的分業という。

3.相手国の関税を撤廃させて自国の商品を輸出することを保護貿易というのに対し,国家の干渉の下で平等な関税をかけて貿易を行うことを自由貿易という。

4.自由貿易を守る体制として世界貿易機関(WTO)が国際連合発足時に設立されたが,近年では北大西洋条約機構など特定の地域内での自由貿易協定も結ばれている。

5.商品の輸出入に関する収支を国際収支といい,これに資金の対外取引の収支であるサービス収支と資本移転等収支を加えたものを経常収支という。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。

選択肢 2 ですが、記述は「垂直的分業」についてです。水平的分業とは、2国間でそれぞれ工業製品を生産して交換することを言います。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、保護貿易と自由貿易という主語が逆です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、北大西洋条約機構は「軍事同盟」です。自由貿易協定ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、「国際収支」は、経常収支と金融収支と資本移転等収支 に大別されます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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