公務員試験 H29年 国家一般職(高卒 基礎) No.37解説

 問 題     

我が国の中小企業に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.中小企業とは,従業員数100 人未満の企業のことであり,我が国の事業所数のうち中小企業が占める割合は,1960 年代以降一貫して80 % 未満である。

2.中小企業は,大企業から注文を受けて製品の製造を行う下請となることも多く,このような企業は,不況期には,コスト削減のために生産調整の対象とされることがある。

3.近代化が遅れ資本装備率や労働生産性の低い中小企業と,技術力や資金力を持った中小企業との格差は,日本経済の二重構造と呼ばれている。

4.不況によって倒産する中小企業が相次いだことから,中小企業を設立するための最低資本金が引き上げられ,現在では300 万円とされている。

5.繊維,陶磁器などを生産する地場産業では,大規模生産を行うニッチと呼ばれる大企業の進出や,アジア諸国との競争により,中小企業の撤退が進んでいる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、中小企業の定義は業種により異なります。「従業員数 100 人未満の企業」というわけではありません。また、事業所数のうち中小企業の占める割合は、現時点で 99% 以上です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、「日本経済の二重構造」とは、近代的大規模企業と、前近代的・家族工業的な中小零細企業が併存し、格差が存在することです。中小企業における二極化の話ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、新会社法により、最低資本金は 1 円でよくなりました。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、ニッチとは「隙間」という意味です。大規模生産のことではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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