公務員試験 H29年 国家一般職(化学) No.37解説

 問 題     

次の生体内の代謝反応系 ㋐、㋑、㋒ を、反応出発物質 1mol が各下線部の化合物まで完全に代謝した場合に生成するATPの量が多いものから順に並べたものとして最も妥当なのはどれか。ただし、各反応系は理想的な条件で進むものとし代謝反応系の継続に必要なATPや補酵素等の消費は考慮しなくてよいものとする。

㋐ アセチル CoA を反応出発物質として、クエン酸回路と呼吸鎖により二酸化炭素と水が生成する反応系

㋑ グルコース 6-リン酸を反応出発物質として、ペントースリン酸経路によりリボース5-リン酸が生成する反応系

㋒ グルコースを反応出発物質として、解糖系によりピルビン酸が生成する反応系

多 ← ATP生成量 → 少
1.  ㋐   ㋑   ㋒
2.  ㋐   ㋒   ㋑
3.  ㋑   ㋐   ㋒
4.  ㋒   ㋐   ㋑
5.  ㋒   ㋑   ㋐

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

㋐は
クエン酸回路~水素伝達系です。
好気呼吸においてATPをたくさん作る部分です。

㋑ですが
ペントースリン酸経路の特徴は正味で、ATPを作らないという点です。様々な物質を合成する経路として重要な役割を担っている代謝経路です。

㋒ですが
嫌気呼吸 及び、好気呼吸における解糖系についての記述です。㋐よりは相対的に少ないATP生成経路です。

ATP 生成量が多い順、㋐→㋒→㋑ となります。

以上より、正解は 2 です。

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