公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.46解説

 問 題     

次は,更生保護法第1 条に規定する同法の目的に関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

この法律は,犯罪をした者及び非行のある少年に対し, A 適切な処遇を行うことにより,再び犯罪をすることを防ぎ,又はその非行をなくし,これらの者が善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるとともに, B の適正な運用を図るほか,犯罪予防の活動の促進等を行い,もって,社会を保護し, C することを目的とする。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

A ですが
「できる限り長期」が目的というのはおかしいと感じるのではないでしょうか。「社会内において」が妥当です。正解は 1 ~ 3 です。

B ですが
医療観察は「心神喪失又は心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った人が対象」です。更生保護法の対象から考えると、ずれがあるため、妥当ではないと判断できるのではないでしょうか。使い慣れない言葉なので、選択しづらいかもしれませんが、B は「恩赦」です。恩赦は、行政権によって、国家刑罰権を消滅させ、裁判の内容を変更させ、又は裁判の効力を変更若しくは消滅させる行為です。

C ですが
犯罪者、非行少年の再犯防止、自立を助け、犯罪予防活動促進を行うことで、社会保護、C することを目的とする という流れです。C は「個人の社会復帰促進」といった個人レベルの内容ではなく、社会レベルにおける目的が入ります。従って「個人及び公共の福祉を増進」が妥当と考えられます。

以上より、正解は 3 です。

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