公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.41解説

 問 題     

社会的養護に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.社会的養護とは,厚生労働省によれば,保護者のない児童や,保護者に監護させることが適当でない児童を,公的責任で社会的に養育し,保護するとともに,養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこととされている。

2.児童福祉法において,社会的養護を必要とする児童を発見した場合には,児童相談所や学校など児童に関わる機関の職員及び児童委員は児童家庭支援センターへ通告する義務が課されており,一般国民は児童家庭支援センターへ通告する努力義務が課されている。

3.家庭養護の一つに里親制度がある。里親は,養育里親,養子縁組里親,親族里親の3 種類に区分され,これらのうち,平成26 年度末時点において,委託児童数が最も多かったのは親族里親であった。

4.施設養護の一つに児童養護施設における養育がある。児童養護施設は,虐待を受けて入所する児童が増加していることを受けて施設の大規模化が進み,平成24 年度末には,全ての児童養護施設のうち定員数が20 人以上の大舎が約8 割を占めた。

5.施設養護の一つに自立援助ホームにおける養育がある。自立援助ホームは,平成28 年に公布された児童福祉法等の一部を改正する法律により,大学等就学中の者については,25 歳の年度末まで入所することが可能となった。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
社会的養護の定義です。

選択肢 2 ですが
要保護児童について、児童福祉法 25 条によれば、発見したものの通告義務が規定されています。努力義務ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
里親は、養育里親、「専門里親」、養子縁組里親、親族里親の「4」種類です。委託児童数が多いのは、本試験時点では「養育」里親です。親族里親ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
できるだけ家庭的な養護が必要であることから「小規模化」が進んでいます。現在は大舎が5割程度まで減少傾向にあります。「大舎が約 8 割を占めた」という記述は妥当ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
自立援助ホームは、なんらかの理由で家庭にいられなくなり「働かざるを得なくなった」、原則15~20歳(状況により22歳まで)の子どもたちに、暮らしの場を与える施設です。現在のところ「25 歳の年度末まで」ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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