公務員試験 H29年 国家一般職(行政) No.60解説

 問 題     

消費・文化に関する記述 A〜D のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A.誇示的消費とは,G.ジンメルが『有閑階級の理論』で用いた言葉である。個人的な能力を誇示し,そのことで名声を獲得しようとするタイプの消費であり,現代社会では余り見られないが,伝統的な社会ではしばしば観察された。

B.シミュラークル/シミュレーションとは,『ディスタンクシオン』の著者であるJ.ボードリヤールが用いた概念である。シミュラークルとは,現実の模像であるシミュレーションが映し出す現実そのものを意味し,現代社会における原像の特権性を示す概念である。

C.カルチュラル・スタディーズは,文化と政治・経済的要因とを切り離して捉え,文化の純粋な文化性を探求しようとする研究であり,フランスを中心に研究が進められた。代表的な研究著作として,M.フーコーの『読み書き能力の効用』が挙げられる。

D.対抗文化とは,既成の支配的文化に対抗する文化,あるいはそれを創出する運動のことを意味する。1960 年代に米国の若者たちが担ったヒッピー文化は,大人たちの既成観念や伝統的な規範に対する抵抗を含んでおり,対抗文化の一例として挙げられている。

1.B
2.D
3.A,B
4.A,C
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 A ですが
『有閑階級の理論』の著者は、アメリカ人経済学者 ソースティン・ヴェブレンです。ジンメルではありません。「誇示的消費」=「非生産的時間や財産の消費」と提唱しました。現代社会でいくらでも例を見いだせるのではないでしょうか。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
「ディスタンクシオン」の著者は、プルデューです。(H26no60)。ボードリヤールではありません。また、プルデューときたら「文化資本」というキーワードを思い出せるようにしておくとよいです。記述 B は誤りです。

記述 C ですが
カルチュラル・スタディーズとは、文化研究です。社会分析を、文化という切り口から行う方法論です。「文化の純粋な文化性を探求しようとする研究」ではありません。また「読み書き能力の効用」の著者はリチャード・ボガードです。記述 C は誤りです。

記述 D は妥当です。
対抗文化についての記述です。

以上より、正解は 2 です。

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