H29年 国家一般職(高卒 技術) No.63 土木基礎力学 解説

 問 題     

直径 20 mm の一様な円形断面の鋼材に 50 kN の引張力を加えたところ,鋼材の直径は 5.0 × 10-3 mm 細くなった。この鋼材のポアソン比はおよそいくらか。ただし,鋼材のヤング係数を 2.0 × 105 N/mm2,円周率を 3.14 とする。

1. 0.1
2. 0.2
3. 0.3
4. 0.4
5. 0.5

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

ひずみについては
・軸方向力を P、断面積 A とすると、軸応力 σ は P/A です。
・力を加えて、元々 長さ l の物体が Δl 伸びた時、ひずみ ε を Δl/l で表します。
この時、E をヤング係数(ヤング率)として
σ = Eε が成立します。ここまでが基礎知識です。

ポアソン比とは
部材を引っ張って伸ばした時の引張方向のひずみと、垂直方向のひずみの比です。例えばポアソン比が 0.1 であれば、「縦に1mm のびたら、横に 0.1mm 縮む」ということです。

直径 20 mm の円形断面なので、まず断面積 A = π × 102 です。50kN の引張力を加えているため、応力 σ  = 50000/100π です。

σ = Eε なので 50000/100 π = 2.0 × 105 × ε です。
∴ ε = 1/400 πです。

この時、横方向のひずみは
直径が 20mm で、5.0 × 10-3 mm 細くなっているので
5.0 × 10-3/20
 です。

ポアソン比は、横方向のひずみ/縦方向のひずみ なので
(5.0 × 10-3/20)  /(1/400 π) で求めることができます。分母・分子に 400 πかければ約 0.3 です。

以上より、正解は 3 です。

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