公務員試験 H29年 国家一般職(土木) No.37解説

 問 題     

我が国の河川施設配置に関する次の記述の㋐~㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・ 流下能力増大のため、堤防位置を移動し流下断面幅を増大させることを、( ㋐ )という。

・ 流下能力増大のため、屈曲した河道を短絡させる水路を、( ㋑ )という。

・ 洪水の一部又は全部を元の河道から分岐し、直接海や他の河川等に流下させる水路を、( ㋒ )という。

・ ある特定の地域を洪水から防御するため、その地域の周囲をとり囲む堤防を、( ㋓ )という。

    ㋐    ㋑    ㋒    ㋓

1.引堤     捷水路  放水路  霞堤

2.引堤     捷水路  放水路  輪中堤

3.引堤     放水路  捷水路  締切堤

4.堤防かさ上げ 放水路  捷水路  霞堤

5.堤防かさ上げ 捷水路  放水路  輪中堤

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

㋓の輪中堤が基礎知識であり、かつ、文章から判断しやすいと思われます。

㋓が正しい記述なので、正解は 2 or 5 です。

これで㋒が放水路、㋑が捷水路(しょうすいろ)とわかります。

ちなみに、捷水路、放水路は記述の通りですが、より簡単に表現すると

  • 捷水路:河の蛇行部をまっすぐにした水路
  • 放水路:水を海へダイレクトへ流す水路

共通点は、どちらも水をうまく流すために作られた人工の水路である点です。

違いは、水の流し先が 河 or 海です。

㋐ですが、堤防の嵩上げをしても「流下能力」すなわち、いっぱい水が来た時にさぱ~っと流す能力は変わらないと考えられます。

よって「引堤」が正解です。

ちなみに、「堤防の位置を変える」というのは「川の幅が拡大するように陸地側へ引きこむ」ということです。すると川幅が広くなることで流下能力が高くなります。

以上より、正解は 2 です。

コメント