公務員試験 H29年 国家一般職(土木) No.14解説

 問 題     

α粒子及びα崩壊等に関する次の記述の㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のように同種の二つの原子核Aをそれぞれ等しい運動エネルギーで互いに逆方向から正面衝突させたところ、原子核反応が生じてネオン原子核とα粒子が生成され、同一直線上の反対方向にそれぞれ放出された。

放出されたネオン原子核の運動エネルギー ENeに対するα粒子の運動エネルギー Eαの比 ENe/Eα は5であった。

衝突前後においてこの系の運動量は保存されることから、α粒子は質量数(陽子数と中性子数の和)が( ㋐ )の原子核であると考えられる。

放射性原子核はα崩壊及びβ崩壊を繰り返し、最終的に安定な原子核になる。

α崩壊はα粒子を一つ放出するため、α崩壊した原子核はα粒子の分だけ陽子数、中性子数がそれぞれ減少する。

また、β崩壊では原子核中の一つの中性子が陽子に変化し、原子核からβ線(電子)が放出される。

このことから がに至るまでのα崩壊の回数は( ㋑ )回であることが分かる。」

  ㋐  ㋑

1.2  5

2.2  7

3.2  14

4.4  5

5.4  7

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

α粒子がHe原子の原子核であることは

基本知識です。

陽子数 2 個、中性子数 2 個なので

質量数は 4 です。

正解は 4 or 5 です。

 

選択肢 4 を正解と仮定します。

α崩壊 5 回とすれば

陽子数が 10、中性子数が 10 減ります。

質量数は 215 のはずです。

 

しかし安定な鉛原子核の質量数は

207 なので誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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