公務員試験 H29年 国家一般職(土木) No.12解説

 問 題     

図のようにAB 間が滑らかでBC 間は粗い斜面上の点 A から小物体を静かに放したところ、小物体は斜面を滑り出した。

小物体が点 B に到達するときの速さをvBとし、小物体が点 C に到達するときの速さをvCとしたとき、vc/vB の値として最も妥当なのはどれか。

ただし、小物体と斜面 BC の間の動摩擦係数を√3/3、重力加速度の大きさを10m/s2 とする。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

BC間でどのような力が働くか注目します。

質量を m とすれば、下向きに mg の力が働きます。斜面を滑る問題の定石として「斜面方向」と「斜面に垂直な方向」に力を分解します。

以下の図のようになります。

黒の矢印で示した力が垂直抗力です。地面から押し返される力です。

物体が動いている時の摩擦力は、 F動摩擦力 = μ’N です。※ N は垂直抗力

従って、F動摩擦力 = (√3/3)×(√3/2 mg) です。

となります。これは斜面方向に分解した力と一致します。

つまり、BC間において小物体は、斜面方向の力と動摩擦力が打ち消し合うため、斜面方向に力を受けません。

F = ma で、F=0とすればa = 0 です。加速度が 0 です。BC 間を等速で運動するとわかります。

言い換えると、vB = vC です。よって、vC/vB = 1 とわかります。

以上より、正解は 3 です。

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