公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅲ解説

 問 題     

次の調査のうちから,有害物質の摂取量を推定するためのトータルダイエットスタディに該当するものを二つ選び出し,その番号を記せ。また,選んだものについて,調査の概要及び利点を5 行程度で説明せよ。

① 疫学調査
② マーケットバスケット調査
③ 悉皆調査
④ 国民健康・栄養調査
⑤ 陰膳調査

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
トータルダイエットスタディとは、市場で売られる広範囲の食品を対象とし、食品添加物糖を実際にどの程度摂取しているか、加工・調理の影響も考慮して把握することです。具体的には、マーケット・バスケット調査 及び、陰膳調査があります。従って、該当する番号は②、⑤です。

マーケットバスケット調査・・・マーケットバスケットとは、買い物カゴの事です。マーケットバスケット調査とは、スーパー等で売られている食品を実際に購入し、含有食品添加物の量を測定し、その結果に、国民健康栄養調査に基づく食品の喫食量を乗じることで、食品添加物摂取量を算定するという方式です。平均を知ることができ、リスク管理、サーベイランス対象とすべき食品群の絞り込みができるという利点があります。

陰膳調査・・・陰膳とは、不在者のために留守番が留守宅で備える膳のことです。陰膳調査とは、調査対象者が実際にとった食事と同じものを科学的に分析し、摂取した栄養素や化学物質の総量を推定する方式です。各家庭で食事を1人分多く用意してもらい試料とします。食品成分表を必要とせず、食事量からそこに含まれる栄養素量に至るまで非常に正確に把握できるという利点があります。

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