公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅱ(2)解説

 問 題     

次の化学物質 Ⓐ~Ⓘ の構造式として妥当なものを構造式群から選び出し,それぞれの番号を記せ。

Ⓐ ヒスタミン
Ⓑ テトロドトキシン
Ⓒ アミグダリン
Ⓓ ベンゾ[a] ピレン
Ⓔ ポリ塩化ビフェニル(PCB)
Ⓕ アルセノベタイン
Ⓖ ポリ塩化ジベンゾーpージオキシン(PCDD)
Ⓗ パラチオン
Ⓘ アフラトキシン B1

 

 

 

 

 

 解 説     

A はヒスタミンなので、アミン(ーNH2)を意識すると見つけやすいのではないでしょうか。⑨がヒスタミンの構造式です。

B はテトロドトキシンといえば、フグ毒の有効成分です。天然物の構造らしい複雑、立体的な化合物と考えると絞りやすいかもしれません。⑫がテトロドトキシンの構造式です。

C はアミグダリン = 青酸配糖体です。青酸 = シアノ = CN なので、CN を有して、かつ糖の構造に注目すれば⑧とわかるのではないでしょうか。

D のベンゾピレンは、ベンゼン環が何個かつながっているイメージを想起できれば、⑤です。

ポリ塩化・・・という接頭語の付く化合物については、「ポリ塩化 = Cl がいくつか」という点に注目することで、まず ①~③ に絞れます。あとは「ビフェニル = フェニル基が2つ」、「ジベンゾーpージオキシン = ベンゼン環もOも2つずつ」と読み替えることができれば、Eが②、Gが①です。ちなみに③はポリ塩化ジベンゾフランです。

アルセノベタインは、H26No6Ⅰ(3) で「有機ヒ素」である点が触れてあるため、過去問学習をしていれば、Asを含む化合物に注目することで、⑩を選択できます。

パラチオンは有機リン系です。したがって 「P=S」 に注目して⑦です。

アフラトキシンはカビ毒なので、残ったものの中でまだ天然物らしい構造の複雑さがあるものといえば、⑥を選択できるのではないでしょうか。

以上より
A ⑨、B ⑫、C ⑧、D ⑤、E ②、F ⑩、G ①、H ⑦、I ⑥ です。

ちなみに
④はビスフェノールA
⑪は酸化トリブチルスズ
⑬はアクリルアミドです。

コメント