公務員試験 H28年 国家専門職(教養) No.39解説

 問 題     

財政に関する記述A~Eのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A:プライマリー・バランス(基礎的財政収支)は,国債発行額を除く税収等の歳入から,国債の利払いと償還費である国債費を除く歳出を差し引いた収支のことを意味し,財政健全化目標に用いられている指標である。

B:租税負担額の国民所得に対する比率を国民負担率と呼び,租税負担額と社会保障負担額(公的年金や公的医療保険にかかる支払保険料)の合計の国民所得に対する比率を「潜在的な国民負担率」と呼ぶ。

C:財政には,政府が公共財を供給する資源配分機能,所得税に対する累進課税制度等によって所得格差を是正する所得再分配機能,税制や財政支出を用いて景気変動を小さくする景気調整機能の三つの機能がある。

D:我が国の租税を課税ベースから分類した場合,所得課税,消費課税,資産課税等に分類できる。このうち所得課税の例としては,国税においては所得税,法人税,相続税等が挙げられ,地方税においては住民税,印紙税,酒税等が挙げられる。

E:我が国が発行する公債である国債については,主として,公共事業,出資金及び貸付金の財源として発行される建設国債と,それ以外の歳出に充てられる特例国債の二つに区分され,いずれも財政法に基づき発行される。

1.A,C
2.A,E
3.B,D
4.B,E
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A は、妥当な記述です。

記述 B ですが、国民負担率が「 租税負担額と社会保障負担額(公的年金や公的医療保険にかかる支払保険料)の合計の国民所得に対する比率」です。これに財政赤字を加えたものが、潜在的な国民負担率です。よって、記述 B は誤りです。

記述 C は、妥当な記述です。

記述 D ですが、相続税は「資産課税」です。よって、記述 D は誤りです。

記述 E ですが、特例国債は赤字国債とも呼ばれます。財政法4条において建設国債しか認められていないため、いわゆる赤字国債発行には、その都度特別の立法が必要です。よって、記述 E は誤りです。

以上より、妥当な記述は A,C です。

正解は 1 です。

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