公務員試験 H28年 国家専門職(教養) No.36解説

 問 題     

世界の気候と農業に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.地中海性気候の地域は,冬に降水が集中し,夏は乾燥しており,また,コルクガシなどの硬葉樹林がみられる。ブドウやオリーブなどの乾燥に強い樹木作物の栽培が盛んであり,冬の降水を利用した小麦の栽培や,ブドウを原料とするワインの醸造も行われている。

2.砂漠気候の地域は,一日の気温変化が大きく, 3 か月程度の短い雨期がある。ヤギやアルパカなどの家畜とともに水と草を求めて移動する粗放的な牧畜が盛んであり,住民は移動・組立てが容易なテントで生活し,家畜から衣食や燃料を得ている。

3.熱帯雨林気候の地域は,年中高温多雨であり,スコールが頻発し,シイ,カシ,クスなどの照葉樹林がみられる。ライ麦の栽培のほか,広大な農地に大量の資本を投入して,単一の商品作物を大量に栽培する焼畑農業が行われている。

4.ステップ気候の地域は,冬は極めて寒冷であり,夏に降水が集中する。南部はシラカバなどの落葉広葉樹と針葉樹との混交林が,北部はタイガと呼ばれる針葉樹林がみられる。南部では夏の高温をいかして大麦やジャガイモなどの栽培が盛んであるが,北部では林業が中心である。

5.ツンドラ気候の地域は,最暖月の平均気温が0 ℃ 未満であり,夏の一時期を除いて氷雪に覆われている。土壌は低温のため分解の進まないツンドラ土であり,夏はわずかな草とコケ類などがみられる。狩猟や遊牧のほか,耐寒性の小麦やトウモロコシの栽培が行われている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。

選択肢 2 ですが、砂漠気候に雨期は明らかに誤りです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、照葉樹林は主に暖温帯に発達です。また、ライ麦は寒冷な気候で主に栽培されます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、ステップ(BS)気候とは、砂漠周辺の草原気候のことです。タイガと呼ばれる針葉樹林は、亜寒帯に発達します。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、ツンドラ(ET)気候は、最暖月の平均気温が 0~ 10 ℃です。 0 ℃未満ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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