公務員試験 H28年 国家専門職(教養) No.30解説

 問 題     

我が国の消防・救急に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.東日本大震災での消防・救急活動を契機に,全国的に消防防災体制の強化が図られ,平成26年には総務省消防庁に緊急消防援助隊が設けられた。その中でも特に高度の能力を有する部隊は消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)と呼ばれ,地震,火災等への迅速な対応を行っている。

2.各地方公共団体の消防本部の下に,地域住民で構成される非常備の消防機関として消防団が置かれ,火災等への対応に当たっている。防災への関心の高まりから,平成23 年以降,消防団員数は増加しているが,訓練等に参加することが困難であるため,会社員等の被雇用者が消防団員に占める割合は減少を続けている。

3.海外で大規模な災害が発生した場合,我が国では被災国等からの要請に基づき国際緊急援助隊救助チームとして,これまで自衛隊員から組織される救助チームを派遣していたが,平成27 年のネパール地震災害では,初めて消防隊員から組織される国際消防救助隊も併せて派遣した。

4.救急自動車による全国の救急出動件数及び搬送人員は,平成26 年にいずれもそれまでの過去最多を記録した。また,同年の搬送人員の内訳をみると,満65 歳以上の高齢者が占める割合は5 割を超えており,その割合は年々高まる傾向にある。

5.近年,救急自動車で傷病者を搬送中に救急隊員が医療行為をできないことが問題視され,医師の指示なしに救急救命処置を行うことができる救急救命士の制度が平成26 年に設けられた。これに伴い,救急自動車に搭乗するためには救急救命士の資格が必要となった。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが、緊急消防援助隊は、H 7 年 6 月創設です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、消防団員数は減少傾向にあります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、国際消防救助隊は、1985 年コロンビアで発生したネバド・デル・ルイス火山噴火を機に制度が整備され、1986 年に初派遣されています。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが、救急救命士の制度は H 3 年度に設けられました。

以上より、正解は 4 です。

コメント