公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.21解説

 問 題     

花きの品種ごとの特性と,我が国における栽培技術などに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ストックは,野生種には分枝系があるが,栽培種には無分枝系の品種のみである。また,八重咲きタイプのものは商品価値が劣るため,切り花生産では,幼苗時に八重鑑別が行われる。

2.キクは,長日植物であり,日長操作などにより,周年生産が行われている。10~ 6 月に採花する作型では,主に夏秋ギクが, 7 ~ 9 月に採花する作型では,主に秋ギクが利用される。

3.チューリップは,一般に,10~11 月頃に球根を植え付けて,冬の低温に遭遇させる。花茎伸長及び休眠打破のためには,低温が必要である。

4.リンドウは,冷涼な気候を好む球根類である。我が国で栽培されているリンドウの品種は,地中海沿岸に自生する野生種を改良したものである。

5.ファレノプシス(コチョウラン)の葉はヤツデ形で,対生する。葉腋から花茎が伸び,数個から十数個の花を着ける。実生から開花して出荷するまで,一般に,10 年以上を要する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「八重咲き」が商品価値「高い」です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
キクといえば秋の花と連想すると思います。すると「日長が短くなる」と花が咲いています。つまり、キクは「短日植物」です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
リンドウは球根類ではありません。また、栽培されている主なリンドウは、日本原産です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
実生とは「種から芽を出して成長すること」です。胡蝶蘭は種から実生に2年ほど(!)かかります。そこから開花→出荷まで、さらに約2年ほどかかります。「10 年以上」は、さすがに長すぎです。妥当ではないと考えられます。

以上より、正解は 3 です。

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