問 題
切り花の老化に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.多くの切り花の老化にエチレンが関係している。キクやガーベラは感受性が高く,カーネーションやスイートピーは感受性が低い。エチレンに対する感受性の高い花きでは,呼吸により発生する二酸化炭素を触媒としてエチレンが急増する。
2.切り花産地では,品温を低下させるために予冷が行われる。予冷は,急激に冷却させるよりも時間をかけて行う方がよい。なお,バラやカーネーションのような温帯原産の花きでは,低い温度により低温障害の発生するおそれがあるため,20 ℃ 前後で貯蔵する。
3.完全に開花した段階で収穫された切り花では,蕾段階で収穫された切り花よりも多量の炭水化物を必要とする。したがって,デンプンを品質保持剤として処理することにより,バラなど多くの切り花で日持ちが延びる。
4.切り花の水揚げは,切り口の閉塞によって悪化する。閉塞の直接的な原因は,微生物の繁殖,気泡,切り口を治癒する傷害反応などである。微生物の繁殖を防ぐには,殺菌剤を生け水に加えるとよい。
5.切り花の品質保持剤として,STS*やエテホンなどが使用される。STS はエチレンの作用阻害剤であり,内生エチレンの作用を阻害するが,外生エチレンの作用は阻害できない。エテホンはエチレンの生成阻害剤であり,競合によってエチレン生成酵素の作用を阻害する。
*STS:チオ硫酸銀錯塩
解 説
選択肢 1 ですが
カーネーションが代表的エチレン感受性花卉です。キク、ガーベラは感受性が低い代表例です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
花きは低温保存が基本です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
デンプンではなく「グルコース」などを用いることで日持ちが伸びます。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
STS は、内生、外生のどちらのエチレンにも作用します。また、エテホンとは、エチレンの作用を現すホルモン剤です。pH4以上で分解し、エチレンを発生します。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
類題 H26no21
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