公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.13解説

 問 題     

作物の生育,栄養及び収量に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.イネやコムギの収量は,面積当たりの個体数, 1 個体当たりの分げつ数, 1 穂当たりの穎花(果)数及び1 粒重に分解でき,これらの積で表すことができる。

2.作物の収量は,バイオマス収量を収穫指数で除したもので示される。遺伝的に収穫指数の大きい品種が多く育成されており,これらの品種では,バイオマスが大きくなる栽培条件ほど増収となる。

3.群落の総光合成量と呼吸量は,ある葉面積指数を超えると低下する。純光合成量を最大にする最適葉面積指数は,傾斜葉型個体群よりも水平葉型個体群の方が大きい。

4.圃場の窒素量を増やすと葉面積指数が増加し,最適値で頭打ちになるが,個葉の光合成能力は単純増加する。このため,群落全体の純光合成量は,窒素肥料を投入すればするほど増加する。

5.同じ圃場で継続して高収量を得るには,収穫に伴い持ち出される窒素,リン酸,カリなどを補う必要がある。施肥の量や時期は,作物の生育状況などに応じて判断する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     


選択肢 1 ですが
具体的数で考えます。面積1に1個体あって、分げつが10だとしても、「その分げつに穂が出るか」がわかりません。すなわち、有効分げつ率もかけなければいけません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
収穫指数とは、例えばイネを1本バサッと刈って 100g で、そのうち籾を集めたら 50g なら 0.5 といった指数のことです。よって、収量は「除したもの」ではなく、「掛けたもの」と考えられます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
葉面積指数とは「葉の総面積 ÷ 土地面積」です。葉の間から光が入ってきやすいため、同じ土地面積の場合、「傾斜葉」の方が最適葉面積指数が大きいと考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
投入すればするほど というのは明らかにおかしいと考えられます。よって選択肢 4 は誤りです。

以上より、1~4誤りなので、正解は 5 です。

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