問 題
コムギとオオムギの形態,生理・生態及び加工に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.春播きコムギは,日長には無関係に,温度条件が十分ならば出穂・開花する。一方,秋播きコムギは,幼穂形成期に低温を要求する。春化によって秋播性が消去されることで,その後は日長条件に関係なく出穂・開花する。
2.麦類が出穂・開花するために必要な低温要求程度を秋播性といい,必要な処理日数によって7階級に分類する。処理日数が長いものからⅠ,Ⅱ,Ⅲの順になり,Ⅶは0 日である。一般に,秋播性の低い品種は,高い品種に比べて耐寒性が強い。
3.オオムギの穂軸には,左右交互に三つの小穂が着いている。六条種では,全ての小穂が稔実し,上から見ると六角形状の粒列を形成する。二条種では,三つのうち側列の二つの小穂は不稔又は退化し,左右各一つの小穂のみが稔実するので,扁平状の穂になる。
4.オオムギのうち,成熟しても子実と内外穎が密着して離れないものがハダカムギであり,脱穀した際に子実が容易に離脱するものがカワムギである。食用としてはカワムギが主として用いられている。二条種のほとんどはハダカムギである。
5.麦芽原料に適するオオムギとして必要な条件は,大粒で粒揃いが良好であり,発芽力が強く,デンプン含量とともにタンパク含量が少ないことである。六条種はこの条件を満たしており,国内はもとより海外でも広く用いられている。
解 説
選択肢 1 ですが
コムギの開花には日長が関係します。「日長には無関係」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
秋播性(あきまきせい)の分類では、処理日数が一番長いものが「Ⅶ」です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、妥当な記述です。
選択肢 4 ですが
ハダカムギとカワムギの記述が逆です。食用に適するのはハダカムギです。また、二条のハダカムギは本試験時点では、あまりありません。ほとんどカワムギです。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
麦芽原料としてはデンプンが「多く」、タンパクが少ない「二条」種が主に用いられています。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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