公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.6解説

 問 題     

次は,地球温暖化と我が国の農業への影響に関する記述であるが,A~Eに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「IPCC*の第5 次評価報告書によると,陸域と海上を合わせた世界平均地上気温は,1880 年から2012 年の期間にA ℃ 上昇している。2013 年度の我が国の温室効果ガス総排出量(土地利用,土地利用変化及び林業を除く。)は,約14 億 800 万(t CO2換算)であり,そのうち,農業における排出量が総排出量に占める割合は約3 % であった。

温室効果ガスのうち,二酸化炭素では農業から排出される割合は全体の1 % 未満であるが, B では約8 割, C では約5 割と農業由来の排出割合が大きい。農業におけるB の発生源は稲作及び家畜の消化管内発酵などであり, C の発生源は農用地の土壌と家畜排泄物の管理などである。

一方,我が国の農業においては,温暖化の影響が懸念されている。水稲では,開花期の高温による不稔のほか,出穂後の約20 日間の高温によりD などの高温障害が発生する。

D とは,高温などが原因でデンプン蓄積が不十分になった米粒である。果樹では,温暖化の影響が著しい。リンゴやブドウでは,高温によって果実の着色が悪くなり,収穫が遅れるため,貯蔵性が低下する。ニホンナシなど落葉果樹では, E の覚醒には,一定の低温に遭遇する必要があるが,低温要求量が満たされず,萌芽や開花が遅れて減収するという被害が発生する。」
*IPCC:気候変動に関する政府間パネル

/ABCDE
1.0.85一酸化二窒素メタン乳白米自発休眠
2.0.85メタン一酸化二窒素乳白米自発休眠
3.2.85一酸化二窒素メタン乳白米他発休眠
4.2.85メタン一酸化二窒素斑点米他発休眠
5.2.85メタン一酸化二窒素斑点米自発休眠

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 B,D が判断しやすいと思われます。
「家畜の消化管内発酵」による温室効果ガスといえば、メタンです。牛のゲップが有名です。高温障害で、デンプン蓄積が不十分になった米粒は「乳白米」です。斑点米はカメムシによる吸汁被害を受けた米粒です。

以上より、正解は 2 です。

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