公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.5解説

 問 題     

我が国における鳥獣被害対策に関する記述 A~D のうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.野生鳥獣による農作物被害額は,近年,年間2 億円前後で推移しており,このうち,鳥類よりも獣類による被害額の方が大きい。平成25 年度の被害額をみると,獣類の中では,シカ,イノシシ,ネズミの順に被害が大きくなっている。

B.農作物への鳥獣被害を防止するためには,各地域において,捕獲,侵入防止柵の設置,追い払い,里地で餌場となる放任果樹の除去などを総合的かつ計画的に実施する必要がある。また,必要に応じて,近接する複数の市町村が連携して広域的に対策を実施することが効果的である。

C.鳥獣被害防止特別措置法*1 に基づき,市町村は,その区域内で被害防止施策を総合的かつ効果的に実施するため,被害防止計画を定めることができる。平成26 年10 月時点において,鳥獣被害が認められる市町村(約1,500)の9 割に達する市町村で被害防止計画が作成されている。

D.通常,猟銃の所持や野生鳥獣の捕獲は法律によって制限されているが,農業被害の防止を目的とする場合は,銃刀法*2 以外の法律の制限なく,猟銃を用いて鳥獣を捕獲することができる。捕獲が進められた結果,平成24 年度のイノシシやシカの捕獲数は,10 年前と比べて減少している。

*1 正式名称は「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」
*2 正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」

1.A,C
2.A,D
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
「年間 2 億円」はさすがに少なすぎるという感覚を覚えるのではないでしょうか。農林水産省によれば H28 年度時点での傾向として 200 億円弱で推移しています。シカ、イノシシ、サルの順での被害です。よって、記述 A は誤りです。

記述 B、C は、妥当な記述です。

記述 D ですが
銃刀法に加えて狩猟法による制限があります。よって、記述 D は誤りです。

以上より、妥当な記述は B,C です。正解は 3 です。

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