公務員試験 H28年 国家一般職(高卒 基礎) No.22解説

 問 題     

熱やエネルギーに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.絶対温度とは, 1 気圧の下で氷が水になる温度と水が沸騰する温度を基準として決められた温度をいい,単位にはケルビン(K)が用いられる。

2.熱力学の第1 法則とは,物体の熱量は物体にした仕事と物体の内部エネルギーの変化との和に等しいことをいい,外部から物体に対して仕事をすると,その物体の熱量は増加する。

3.熱量の保存とは,物体が持つ熱は,他の物体との接触がなければ移動しないことをいい,また,物体が持つことができる熱量の上限を熱容量という。

4.潜熱とは,物体が潜在的に持っている固有の熱量をいい,固体から液体になるときの方が,液体から気体になるときよりも潜熱は大きい。

5.比熱とは,単位質量の物質の温度を1 K 上昇させるのに必要な熱量をいう。同じ質量の異なる二つの物質を比較した場合,比熱の大きい物質ほど,同じ熱量を加えたとき,温まりにくい。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが、「絶対温度」は、物理的に考えられる「全てが停止する」温度を(絶対)零度として定めた温度のことです。普段良く見かける「摂氏」で 0℃ は、絶対温度になおすと 273 K です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、熱力学第 1 法則 は、ΔU = Q + w です。文章を式にすると Q = w + ΔUとなっていて、これは変形すればΔU = Q 「ー」w となってしまい、違います。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、「熱量の保存」とは、温度差のある物体が接触した際、「高温物体が失った熱量の総和」=「低温物体が失った熱量の総和」となる、という法則です。また、「熱容量」とは、物質の温度を 1K 上昇させるのに必要な熱量です。物質 1 g あたりであれば「比熱」と呼ばれます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、「潜熱」は、相変化(固体、液体、気体といった状態の変化)に必要なエネルギーです。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、1~4誤りなので、正解は 5 です。

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