公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.33解説

 問 題     

クライゼン縮合反応に関する、次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「プロパン酸エチルは、( ㋐ ) の存在下でクライゼン縮合し ( ㋑ ) を生じる。また、ヘプタン二酸ジエチルがクライゼン縮合すると ( ㋒ ) を生じる。」 

 
1 水素化アルミニウム
リチウム
4-オキソ
ヘキサン酸エチル 
2-オキソシクロヘキサン-1-カルボン酸
2 水素化アルミニウム
リチウム
2-メチル-3-オキソ
ペンタン酸エチル
2-オキソシクロヘキサン-1-カルボン酸
3 ナトリウムエトキシド 4-オキソ
ヘキサン酸エチル 
2-オキソシクロペンタン-1-カルボン酸エチル
4 ナトリウムエトキシド 2-メチル-3-オキソ
ブタン酸エチル
2-オキソシクロペンタン-1-カルボン酸エチル
5 ナトリウムエトキシド 2-メチル-3-オキソ
ペンタン酸エチル
2-オキソシクロヘキサン-1-カルボン酸エチル

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 ㋐ ですが
水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)は還元剤です。エステルをアルコールに還元します。クライゼン縮合に用いる試薬ではありません。クライゼン縮合とは、2分子のエステルが縮合する反応です。1つのエステルが塩基で処理することでエステルエノラートになってもう1分子のエステルの C=O にアタックするイメージです。

従って生成物は、「2ーメチルー3ーオキソーペンタン酸エチル」です。これにより、正解は 5 です。

ちなみに、ヘプタン二酸ジエチルのクライゼン縮合のイメージは以下のようになります。

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