公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.17解説

 問 題     

1、2-プロパジエン (H2C = C = CH2) に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 三つの炭素は直線上に並び、四つの水素原子は全て同一平面上に存在している。

㋑ 両端の炭素原子は sp2 混成軌道を中央の炭素原子は sp 混成軌道を形成している。

㋒ 1,3-ブタジエン (H2C = CH-CH = CH2のような共役二重結合より、1,2-プロパジエンの二重結合の方が安定であり、水素を付加させたときの発熱量 (水素化熱) は、1,2-プロパジエンの方が大きい。

㋓ 二つの炭素-炭素結合の結合次数は、いずれも2である。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

㋑、㋒で判断したい問題です。㋐は、一回分子模型か絵を見ていれば瞬殺なんですが、そういった経験がないと、初見では難しいと思います。

㋑は、正しい記述です。
sp3,sp2,sp 混成については「Cに何個ものがついているか」で判断すればOKです。真ん中の炭素は C に 2つ → sp。両端の炭素は、C 1つと H 2つ で合わせて3つ → sp2 です。

㋒ですが
アレンは極めて不安定な物質です。よって水素付加させた時の熱は大きいものと考えられます。よって、㋒は誤りです。

以上より、正解は 5 です。
 
ちなみに、㋐について
1,2-プロパジエン(アレン)の構造のイメージは以下のようになります。

㋓ですが
結合次数とは
2つの原子間の 結合の数です。

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