公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.12解説

 問 題     

図のように、1 mol の理想気体が状態 A から、過程Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを経てAに戻る変化を準静的に行う。各過程は次のとおりである。

・過程Ⅰ 状態A (圧力P1、体積V1) から等温膨張させ、状態B (圧力P2、体積V2) とする。

・過程Ⅱ 状態B(圧力P2、体積V2)から断熱圧縮させ、状態C (圧力P3、体積V1)とする。

・過程Ⅲ 状態C(圧力P3、体積V1)から定積のまま冷却し、状態A(圧力P1、体積V1)まで圧力を下げる。

ここで、過程Ⅰの温度を T0 とすると、過程Ⅰの膨張に当たって

の熱の吸収が起こることから、エントロピー変化は

となる。過程Ⅱ、過程Ⅲのエントロピー変化を考えるとき、それらの組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

準静的に一周している(元の状態に戻っている)ので、エントロピー変化の総和は 0 です。従って、過程Ⅰにおける エントロピー変化である R loge(V2/V1) と、答えの選択肢の 2 つの項を全部足した時に0になるものが正解です。

以上より、正解は 5 です。

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